2013年1月31日木曜日

受験を迎える皆さまへ

長かった中学受験もようやくゴールが見えてきました。
ここに至るまで私には想像もできないような色々な困難やご苦労があったのではないかと思います。

あとは、お子さんが入試に臨むだけです。

生まれて12年しか経ってない子どもにとって、中学受験は大変な試練です。
お母さんやご家族の理解と協力なくして無事に迎えることはできません。

毎年のことながら無事に受験を迎えることができることは
本当に有り難いことと思います。

お母さんの最後の役割は、
お子さんを信じて堂々と送り出すことです。
そして結果を一緒に受け止めることです。


実力を出し切れますことを切にお祈り申し上げます。

2013年1月22日火曜日

何のための中学受験?改めて受験の意義を考えてみましょう。

こんにちは。
別のところの原稿を引っぱてきたのでおかしな体裁ですがご了承ください。


良い中学受験を目指す
 受験生の対応と新年度生の対応を並行して進めるこの時期、毎年必ず中学受験の意義を改めて考えながら過ごしています。
 私は日頃から「良い受験」という言葉を使います。人それぞれ、あるいは家庭によって価値観は違います。それでも敢えて言いきっておきましょう。受験したことを後悔するような受験は失敗です。結果が同じでも、堂々と結果を受け止めている子どもと、後ろ向きに受け止めている子どもとでは、
受験の意義が全く違うものとなります。受験のすべてを受け止め、中学生になってからの糧となる受験が「良い受験」である、と私は思います。

何のための中学受験?
 例えば、開成が東大合格が多いのは、頭の良い子が集まっているからであって、東大受験の良い授業をしているわけではありません。伸びる子を選抜できる優れた入試問題であるとも言えます。開成の入試で合格得点を取れる小学6年生は、別の学校からでも東大に受かるレベルに達する可能性は高いと思います。「どこに受かるか、どこに行くか」よりも、「どう勉強して、どう伸ばすか」が遥かに重要なのです。

中学受験と子どもの意志
 よく、「子どもの意志を尊重したい」という言葉を聞きます。子どもの意志は大切ですしやるのは本人ですが、中学受験の全ての責任は親のものです。精神年齢が高いとかそういうことは問題ではありません。子どもは子どもであって精神的にまだまだ未発達です。全責任を負うという覚悟が持てない場合、良い受験にはなりません。もちろん6年生の後半ともなれば、それなりの意志を持って志望校を目指すものであり、本人の意志や感覚などは、最終的に受験校を選択する段階ではとても重要です。

教育観を明確にする
 「どういう学校がお子さんに合う学校でしょうか?」「どういう受験の仕方をしますか?」
明確に答えられる方もいますし、これから考えていかれる方も多いと思います。参考までにいくつかポイントをお伝えいたします。
・絶対に私立中学に進学させるかどうか
 乱暴な言い方をします。公立中学は生徒の幅が広く、東大や医学部に合格する子もいれば、勉強を全くしない子もいたりします。私立中学は学力の層があり、トップ校にはトップ校なりの生徒が集まります。偏差値40の学校はそれなりになります。学歴や意識の高いお友達作りを重視する場合は、高校受験で仕切り直すのも選択肢の一つです。
・環境や穏やかさを重視するのか、大学の進学実績を重視するのか
 学歴が全てではありません。部活動など学業以外のことを一生懸命頑張るのもいいでしょう。
・附属か進学校か
 慶應か御三家かなんていう受験はまず上手くいきません。進学後の教育も進路もまるで違います。

これから塾に通う場合も、すでにスタートを切る場合も、受験の意義や教育観について改めて考えてみ絵はいかがでしょうか。

2013年1月9日水曜日

良い中学受験にするための不合格の受け止め方

こんにちは。

いよいよ明日から埼玉の受験も始まり、
本格的な受験シーズンに突入します。


最悪のイメージを持ちながら過ごさなければならないこれからの約1ヶ月は特別なものです。
受験生本人は良いイメージを持って臨めばいいのですが、
我々はそうはいきません。



さて、合否についてですが、

結果は、自分の目で見るようにしましょう。

できれば先に本人が見るべきです。
お母さんお父さんが、どう取り繕っても結果は変わりません。
合格であっても不合格であっても、
受験最終日まで時間は止まりません。

結果はどうあれ、
前を向いて進んでいかなければなないのです。

終わった試験の分析は不要です。
同じ問題は出ません。

次に向けて、その時できることを、一つひとつやっていくだけです。

次に、次に、進んでいくほかありません。


12歳の子どもが3年かけてやってきた結果が出ます。
実に人生の4分の1です。

中学受験は結果が重要なのではありません。
経験を糧にできればそれは結果的に良い受験となります。

進学した先で頑張れない受験は良い受験とは言えません。
結果ではないのです。


合否の受け止め方は、
受験が良いものとなるのかそうならないのか、そのわかれ道となります。


正々堂々と受験会場に向かいましょう。 
真正面から結果を受け止めましょう。 
受験最終日まで前を向いて進みましょう。


1日1日驚くほど成長していきます。
1日1日が糧になります。


持てる力を出し切れることを願います。
全ての受験生が良い受験を迎えることができるよう願います。

2013年1月6日日曜日

公式に頼らない面積や図形の考え方

こんにちは。

先日ひし形の面積に触れました。
忘れている方もいると思います。


以前も書きましたが、

公式を暗記→当てはめて解く→忘れがち
性質や概念を正しく理解する→考える→応用可能、忘れない




初めて面積を習うことをイメージしてみてください。

青い部分の面積を考えてみましょう。
公式に囚われずに考えてみましょう。





  • まずは大前提
    • 1辺1㎝の正方形の面積は1㎠
      • 大前提は教えるほかありません。丁寧にしつこく。
  • 下の青い長方形の面積を考えてみましょう。
    • 数えてよし
    • 1×3でもよし
      • 「長方形の面積=縦×横  だよ」×
        と公式を教えてはいけません。
      • 「とにかく公式を憶えれば解けるから、とにかく憶えなさい」×
        など言語道断。
    • もし、子どもが自分で気が付いたら、褒めつつフィードバックします。
      • 「そうそう、それでいいよ。ここは縦、ここは横、掛け算で出せるね、ナイス!」
    • 公式を先に教えると
      • 考えなくなる
        →「習ってない、わからない」を頻繁に言う
      • 単なる暗記になり下がる
        →忘れる、忘れたらわからない
      • 気付きを奪う
        →算数が面白くない
  • ついでに外枠部分の面積を考えてみましょう。
    • 数えてよし
    • 左上の1マスを右下に持ってきて、3×4でもよし
    • 3×3の正方形が先に見えてしまうなら、9+1+2でもよし

      公式を暗記した子・・・(縦は?横は?どれ?公式は?)
  • 次、左上の青いさんかく。
    • 1㎠の半分なので、0.5㎠

      同じく、
      「三角形の面積=底辺×高さ÷2」

      と教えてはいけません。

      最初に面積を習う学年では、面積という概念が難しいのです。
      そこで、「公式」「縦」「横」「底辺」「高さ」とやってしまうと、言葉に振り回されがちです。「三角形」という言葉も不要です。
  • 最後、ひし形。
    • 対角線×対角線÷2 でよし
    • ひし形の対角線が、外枠の8マスの長方形の縦と横にあたると気付くのもよし
    • 8枚かぞえてその半分 でよし
    • 2つの三角形と考えてもよし
      • 1×4÷2×2
      • 2×2÷2×2
    • 4つの三角形と考えてもよし
      • 2×1÷2×4
    • 「ひし形の面積=対角線×対角線÷2 これで出るから憶えてね」×
      • 繰り返しですが、公式を憶えても算数の勉強にはなりません。
    • 公式が身についている人にとっては、4つの三角形とか2つの三角形とか、確かに面倒です。
    • ですが、面積や図形を理解するためには色々と考えてみることが大切なのです。



中学生・高校生は公式をたくさん憶えることも大切です。

それに対して、中学受験では、公式を憶えることにほとんど意味はありません。
公式を掘り下げることで面積の概念そのものを深く理解したり、図形の性質を正しく理解することが大切です。
また、公式は答えに限りなく近く、残っているのはただの計算です。自分で気付く機会をいかに与えられるかが、算数の楽しさを感じさせ、



学習会は冬期講習最終日。
まもなく受験本番!




参考まで。




【暁星中の平面図形】を使って図形の性質を学んでみる

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。



さて、さっそく。

きれいな形です。
途中の計算もすっきりしていて良い感じです。









問いの部分を拡大。


右の図はおうぎ形と正方形を使ってできている図です。そして図のように5つの部分をア,イ,ウ,エ,オと名前を付けます。一番大きな正方形(ア+イ+ウ+エ+オの部分)の面積が20㎠のとき、次の各問いに答えなさい。円周率は3.14とします。
(1)ウ+オの部分の面積を求めなさい。  (答えだけ書きなさい)
(2)ウの部分の面積を求めなさい

平成18年度 暁星中学校






例によって特別な知識は必要ありません。
まずは考えてみましょう。



必要な知識
正方形の面積の求め方
円の面積の求め方
おうぎ形の性質 
こんなところでしょうか。



やってみましょう。

正方形【大】の1辺をAとします。
正方形【小】の1辺をBとします。


  • 正方形【大】
    A×A=20㎠
  • 正方形【小】
    =A×A×1/2
      *ひし形=対角線×対角線×1/2
    =20×1/2
    =10㎠
  • おうぎ形【大】
    =A×A×3.14×1/4
    =20×3.14×1/4
    =15.7㎠
  • おうぎ形【小】
    =B×B×3.14×1/4
    =7.85㎠
  • これで出そろいました。問いを見てみましょう。
    • (1)ウ+オの面積
      • 正方形【小】ですのでそのまま
        • A 10㎠
    • (2)ウの面積
      • 正方形【小】-おうぎ形【小】
        =10-7.85
        • A 2.15㎠
  • 解き方は他にもあります。算数力を伸ばすためには他の解き方も出来た方が良いです。
  • ですが、ここでは図形の性質を掘り下げる解き方にしてみました。



ポイントは
性質を正しく理解する
取り掛かってみる、試しにやってみる
手を動かしながら進めてみる

正方形の1辺がわからないとどうにもならない…
→「とりあえずAにして進めてみよう」

こういう習慣を身に付ければ、どんどん伸びます。
賢さは生まれつきのものではなく習慣で磨かれるものです。




ひし形の面積は忘れている方もいるかも知れません。
忘れてしまった方は、公式を暗記して当てはめる勉強をしたのだと思います。

性質や概念をきちんと身につければ忘れないはずです。
次回は、公式に頼らない面積の求め方の基本を考えてみようと思います。
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