2012年12月30日日曜日

【平成18年暁星】計算問題が無い!?

こんにちは。

今回は暁星の算数です。


□1 次の各問に答えなさい。
(1)整数部分が2桁で、小数部分が第2位までの数 AB.CD と、この数を各数字を逆に並べた数 DC.BA という数を たすと整数になります(ただし、AとDは0ではありません)。どんな整数になりますか。(答だけ書きなさい)


(2)整数部分が3桁で、小数部分が第2位までの数 ABC.DE と、この数の各数字を逆に並べた EDC.BA を たすと7で割り切れる整数になります(ただし、AとEは0ではありません)。 どんな整数になりますか。

平成18年度 暁星







難しい知識は必要ありません。
まずは考えてみましょう。




一見難しいように見えますが、5年生でも解けます。
中学受験の勉強をしたことがなくても解けます。
自分で試してみることで、中学受験で求められる能力とその磨き方をお伝えしたい、
ということが記事の趣旨です。



  • 大問5問、50分の問題の最初の問題です。
  • いかがでしょうか?
  • 普通は最初は計算問題が多いのですが、
    暁星は単なる計算問題を出しません。
    • まず(1)から。
    • とりあえず書いてみましょう。
       AB.CD
      +DC.BA
    • 次に「たすと整数」「AとDは0ではありません」とありますので、
      D+A=10となります。
    • 次はC+Bですが、1繰り上がっている状態で結果が10ですので…
      C+B+1=10
      C+B=9
    • つまり、
      CD+BA=1.00
    • あとは当てはめるだけです。
      B+C=9
      A+D=10
    • 答え 110
  • 文字だけだとピンとこない方は、実際に書いてみましょう。
  • さて、この問題のポイントは何でしょう。


    数の性質を理解すること
    手を動かしてみること
    問題をよく読むこと
  • この3つだけです。
    • 数の性質
      整数、小数を理解して、足し算が出来る必要があります・
    • 手を動かす
      そのまま書いてみればいいんです。これができれば先に進みます。
      解けない子は、ただながめて終わってしまいます。常に。
    • 問題をよく読む
      答えもヒントも頭の中にはありません。問題文をよく読むことが算数の基本中の基本。

  • この3つ、算数の基本でもあり極意でもあります。
  • 算数の勉強をちゃんとやっている人にとっては当たり前。
  • 当たり前でない場合は、それは算数の勉強ではなくただの暗記です。

  • (2)はポイントだけ。
     ABC.DE
    +EDC.BA
    • 一の位がポイント。常に奇数。(C=0から順に当てはめてみてください)
    • 他は(1)を使えます
    • C=0が最小で1091.00
    • C=9が最大で1109.00
    • 7の倍数を探します


最初から、「わからない」「習っていない」となるようでしたら、要注意。
学校や塾での勉強が勉強になっていないかもしれません。
環境を変え、正しい習慣を身に付けましょう。


いかがでしょうか。

2012年12月27日木曜日

本をたくさん読んでいるのに国語がいまいち!?

こんにちは。

今日は国語について。


読解ができるようにしたい
語彙を増やしたい 
記述力を伸ばしたい

国語でよく相談を受けるのはこの3つでしょうか。


  • まずは読解力について
    • 結論から言ってしまうと、本を読むことと読解力は直結しません。
      なぜなら読書と読解は別物だからです。


      例えば・・

      A 近年、環境のためにリサイクルが大切と考えられています。
      B 私は、この風潮に疑問を感じます。誤ったリサイクルは環境に悪影響を与えます。
      C 例えばアメリカでは......
      CⅡ 一方日本では......
      CⅢ ペットボトルについて考えてみましょう......
      D このように、リサイクルは、環境に悪影響を与えているのです。


      よくある論説文です。
      • A→ 一般論
      • B→ 筆者の主張
      • C→ 具体例
      • D→ 結論
    • 読書では
      • 一般論に共感してもいい
      • 筆者の主張に反論してもいい
      • 具体例で感動してもいい
    • 読解では
      • 書いていることを正しく理解することが求められる
    • 当たり前のことです。
      ですが読解が苦手な子は、自分の考えと筆者の考えを上手く区別できていません。

      (確かにリサイクルは大事だよね。学校でもやっているし)
      (リサイクルが悪影響?そんなはずないのに...)
      (へぇ、アメリカはすごいななるほど)

      などと、自分勝手に思いを巡らせているようでは国語力は伸びません。

      自分の考えと合致しようがするまいが、
      筆者はそう考えているのね、と捉えるのです。


      学習会の国語の先生曰く、
      「学校の国語は勝手な国語」
      「受験国語は思いやりの国語」

      とのこと。

    • 国語以外の教科では、作問者と受験者の2者の関係。
    • それに対して国語は、
      <筆者><作問者><受験者>  ・・・この三者の関係です。


      自分は自分、筆者は筆者、登場人物は当時人物、
      読解の基本です。


      読書によって伸びる部分もあります。特に低学年のうちは慣れることも大切。
      ですが、読書と読解が区別されないような読み方では伸びないのです。


      読解力が高いと得ですよ。
      他の教科の得点も違ってくるし、
      普段の勉強の効率も良くなります。




  • いつ読解のトレーニングをするのが良いのか

    読解に力を入れたいのは5年生後半。
    • なぜなら、6年生になると算数は演習、理科社会も時事問題や記述の対策が重たい。
    • 読解力が低いまま6年生になると・・
      単元別の間はともかく、総合問題っぽくなると、
      意味を把握するのに時間がかかるし精度も低い。
      他の教科が重たいので、根本的な読解のトレーニングに時間を取れない。そうすると、記述も出来ない、理社の詰めも出来ない。
    • 読解力が高い子は・・
      国語について早い時期から総合問題=入試問題を使った演習に入ることも出来る。
      そうすると、算数も演習に時間をかけられる、理社も長期的な計画に基づいて勉強しやすい。
      と良いことがたくさんあります。
    • 今5年生なら根本的に見直すといいと思います。
      • 1センテンスをきちんと読めますか?
        • 主語と述語を理解していますか?
      • 2センテンスをきちんと読めますか?
        • 文と文の関係を抑えていますか?
        • 指示後の内容を捉えていますか?
      • 自分勝手に読んでいませんか?
        • 筆者は筆者、自分は自分


語彙と記述については後日。

2012年12月13日木曜日

【灘中の平面図形】基礎知識を元に考えることで答えを捻り出してみる


こんにちは。

たまには問題を取り上げてみましょう。
問題は、灘中(2007年)。


問題
「下図のように、正方形が2つあり、小さい正方形の中に円が接しています。このとき、色のついた部分の面積を求めなさい。」








さすが灘中。難しいように見えます。
ですが、ここでよーーく考えてみましょう。


必要な知識は3つだけです。
正方形の面積の求め方
三角形の面積の求め方
円の面積の求め方 
どうでしょうか?
習っていないからわからないとは言わせません。



大切なことは、
面積の性質やそれぞれ図形の性質を正しく理解していること





1つの解き方です。
(内側の正方形の辺の長さをAとしておきます)

  • 外側の正方形
    • 8×8=64㎠
  • 内側の正方形
    • 外側の正方形から4つの三角形の面積を引きます
      • 4つの三角形の面積=3×5÷2×4=30㎠
      • 64-30=34㎠
    • A/2×A/2×3.14=
      • A×A=34㎠を当てはめると
    • 34/4×3.14=26.69
  • 黄色部分
    • 内側の正方形-円
    • 34-26.69=7.31㎠


となります。



こういう問題が解けるようになるには
どのように勉強したらいいのでしょうか?




◆解けるようにならない勉強方法

  1. 解き方の手順を教える
  2. 数字を変えて反復練習


先日も書きましたが、
反復練習だけでは時間がいくらあっても足りません。

普通は途中で飽きちゃいますし。



◆解けるようになる勉強方法

  1. 面積の性質を正しく理解させる(基本は1㎝の正方形の面積が1㎠)
  2. 正方形、三角形、円、それぞれの図形の性質を正しく理解させる
  3. ひたすら考えさせる
  4. 必要に応じてヒントを与える



習った解き方に当てはめて解く×
考えて答えを出す経験を積み重ねていく○


正しい習慣を身に付けていくことで賢くなれます。

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