2018年11月9日金曜日

【小3の壁】小学3年生がつまづきやすい算数の問題とその対策とは?



小学1年生〜2年生までは楽しく勉強していた子どもが、小学3年生から苦手科目がでてきて、勉強につまづきはじめます。

これを「小3の壁」や「9歳の壁」といったりします。

その中でも一番苦手意識を持ちやすい科目は算数です。

小学3年生の時になぜ算数に苦手意識をもってしまうのか、そしてその対策はどうすればよいかを紹介します。

算数は、中学受験で差がつきやすい重要な教科です。小学3年生の時にしっかりとフォローしておきたいものです。

【小3の壁の原因】なぜ小学3年生になると算数が苦手科目になるのか?


繰り上がりや繰り下がりの計算も増え、さらに空間把握能力が問われる図形問題も3年生から出題されます。

それから時刻をあつかっていたものが時間を扱うといったように、具体的なものから抽象的なものを扱うようになります。

さらに時間と距離の問題といった文章問題に対応するための読解力も必要です。

このように、2年生までの基礎学力の定着とそれを使いこなす応用力、抽象的な概念の理解、読解力などが問われ始めてくるのが3年生なのです。

【小3の壁のポイント】小学3年生がつまづきやすい算数の2つの分野とは?


小学3年生でつまずきやすい問題は「時間と距離の問題」と、「足し算、引き算の計算式の順番を変えて◻の内容を求める計算」といわれています。

これらは、中学受験の算数のなかでも特に苦手な子どもが多いといわれる、「つるかめ算」や「旅人算」の基礎となる問題です。

例えば、以下のような問題です。

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・時間と距離の問題


「たろうくんは午前10時15分に家を出ました。家を出てから32分後に図書館に着きました。その後しばらく本を読んで、午後12時45分に図書館を出ました。途中、コンビニによって買い物をして家に帰ると、家に着いた時こくは午後2時12分でした」

(1) 図書館に着いた時こくは、何時何分ですか。
(2) 図書館で本を読んだ時間は、何時間何分ですか。
(3) 図書館を出て、家に帰り着くまでに、何時間何分かかりましたか。
(4) 家から図書館までは2km100mあります。また、図書館からコンビニまでは800mあります。家から、コンビニまでの道のりはどれだけですか。

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・足し算、引き算の計算式の順番を変えて◻の内容を求める計算


あめが□個ずつ入っているふくろが4つあります。あめの数は全部で36個です。ひとつのふくろに入っているあめの数は何個でしょう?

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高学年になってから「つるかめ算」や「旅人算」で苦労しないためにも、しっかりマスターしたい問題です。

ただ、これらの問題をしっかりと正解するには、距離や時間といった概念の把握、正確な計算力、文章題を理解する読解力が必要です。


【小3の壁対策】小学3年生から身につけておきたい算数を苦手にしない3つの対策


・九九を丸暗記だけではなく掛け算の概念を説明できるまでに理解する


3年生の抽象的な問題に対応するためには、まず九九を丸暗記していないといけません。

大人からすると『九九なんて簡単だろう』と思うかもしれませんが、2年生の最後の春休みが明けた後、3年生の最初の授業で、九九をすっかり忘れてしまった子どもが多いことは事実です。

どの段からでも正確にすばやく回答できるように長期休暇の際には勉強のフォローをしてあげてください。

そして、九九をただ丸暗記するだけではなく、掛け算とはどういうことなのかを理解していなければなりません。

「しさんじゅうに」の意味を理解できるように


3年生の算数でつまづく子の多くは九九を暗記していなかったり、九九は暗記しているけれども、掛け算の概念を理解していないといった特徴がみられます。

それは、「しさんじゅうに」を暗記しているけれども、4という数字が3つ分集まって合計12になるとか、3という数字の4つ分も同じ数になるといった掛け算の概念がいまいち理解できていないといった状態です。

子どもが九九を暗記できていたら、掛け算の概念を理解しているかどうか確認してあげてください。

もし、理解していないようであれば教科書には掛け算の概念を説明するためにイメージ図などを使って解説してある箇所があります。

教科書を使って、子どもが掛け算の概念を理解できるように手助けしてあげてください。

・抽象概念を理解できているか確認するには、説明させること


4年生になると「三角形の面積=底辺×高さ÷2」の公式を勉強しますが、公式を丸暗記するだけの子どもと面積とは何か?2で割る意味は何か?と考え続けられる子どもとではその後の学力に大きく差がでてきます。

子どもに単純に公式を丸暗記させ、数字を代入させるような解き方を教えていないでしょうか?

抽象概念をしっかり理解できているかどうかを確認するために、子どもにいろいろな概念について説明させましょう。

面積とは何か?

正方形や長方形の面積の公式、縦×横は何を表しているのか?

平行四辺形の面積は、なぜ一辺×高さなのか?

概念を説明しようとするためには、情報を頭の中で整理し、何がポイントなのかを理解しておかなければなりません。

質問することでその情報の整理と理解が始まります。

・文章題を理解する読解力の強化


3年生になると文章問題が増えてきますが、ここでつまづく子どもは「文章の意味がわかっていない」ことが多いです。

つまり、読解力がないために質問の意味がわからないというケースです。

「読解力」というと国語の読解力と混同する人もいるかもしれませんが、国語のそれとは少し異なります。

国語で求められる読解力は「文章中の筆者の主張や登場人物の心情、感情の変化を読み取る力」です。

算数で求められる読解力は「この問題文は、要するにどういうことを問うているのか?与えられた条件は何なのか?を読み取る力」です。

できない子どもの多くは、問題文を丁寧に読まず、問われていることを理解できていないのに、でてきた2つの数字をかけてみたり、足してみたりしてしまいます。

たまに正解することもあるのですが、そのような子どもに対して、文章を少し変えてみたら、どう解いていいかわからず固まってしまいます。

文章題が苦手な子どもに対しては「この問題は、要するに何を聞いているの?」と質問して、答えさせるトレーニングをしてください。

この質問をすることによって、子どもは「何を聞いているんだろうか?」と深く読み込もうとするスイッチが入ります。

「1mmは、1cmを何等分した長さなのか説明できる?」という単純な質問でもいいです。

文章題を理解する読解力がまだ身についていない子どもは、このような簡単そうに思える質問でも「よくわからない」と回答することが多いです。

その時は、「どの部分がわからなかったの?もう一度一緒に読んでみようか」と促して、どの部分が読み取れなかったのか、子どもがつまづいている原因を明確にしてあげてください。

「この問題は、要するに何を聞いているの?」

解けなかった文章題があったら、子どもにこのように質問してみてください。


小3の壁を乗り越えるには、楽しく勉強させて習慣化させることがポイント


上記の算数を苦手にしない対策の他に、そもそも日常から楽しく学ばせる状況を提供することが大切です。

小学3年生では時間と距離、リットルといった体積の単位もでてきます。

子どもに日常的に時間について聞くのもいいでしょう。「ゆでたまごをゆでるにはどのくらい時間がかかるか知っている?」とか。散歩やドライブにいく機会があれば、「いまどのくらいの距離を走った?」とか。

牛乳パックを指さして、この牛乳は何リットル入っているか知っている?とか。

ボールを見つけたら、半径や直径のことについて質問してみましょう。

子どもの知的好奇心を刺激する質問は無数に作ることができます。

日常から質問をつくり、知的好奇心を刺激した後は、並んで机に座って、算数ドリルを解きましょう。

小学3年生くらいの子どもにとって、親との会話は楽しい娯楽の一つです。

親との会話のきっかけとして勉強を自然と取り入れ、机に座ることを習慣化させることがポイントです。

算数は経験豊富な先生に習うと好きになる⁉


国語、理科、社会の暗記分野については、特定の分野が好きだったり、その分野を重点的に勉強することで成績を上げることは可能です。

しかし、算数については暗記だけというわけにはいかず、算数力を上げるには、「掛け算、割り算、分数、少数、面積、体積、比、・・・」といった抽象概念の理解を深めていくことが大切です。ですので小学生の算数の指導は経験値が求められるのです。

進学塾では、算数の授業は算数の専門の先生が担当します。だから、学校の算数が嫌いで苦手な子が、塾では好きになったり得意になったりすることも多いのです。

ポイントになるのは「気付き」です。教わるだけではなく、自力で問題を解くことで「あっ!」と気付くことがたくさんあります。その瞬間は楽しいものです。

算数が好きな子は、問題を解くことが楽しいものです。良い授業を受けて算数が好きな子に育てましょう。

小学校の算数が苦手でも中学受験は大丈夫


確かに、中学受験は算数が要になります。学校の算数が苦手だと、受験算数はさらに難しいと躊躇するかもしれません。克服して受験を成功している生徒がたくさんいます。お気軽にご相談ください。


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