確認テスト、実力テスト、入試の違いを理解しよう
大手塾では生徒の知識が定着しているかどうか測る『確認テスト』が実施されます。
塾によってはマンスリーテストや組分けテストなど様々な呼び方がされていますが、基本的には直前の授業の内容から問題が作成されています。
確認テストと実力テストは、一般的に以下のような違いがあります。
確認テストは知識を覚えているかどうかのチェックにすぎない
塾の確認テストは、知識を覚えているかどうかのチェックがその目的です。
直近の授業で習ったことが出題されますのでその範囲の内容(キーワードや解き方)を丸暗記すればそれなりに高得点が取れます。
総合問題はキーワードや解き方を覚えるだけでは対応できない
上の表のように、実力テストと入試では、いくつかの単元が組み合わさった総合問題が中心になります。ここでは、これまでに習った知識を使いこなす『考える力』がついているかどうかが問われます。
確認テストと実力テストの違いについて具体例を使って考えてみましょう。
総合問題の例
設問.安土桃山時代から江戸時代初めに、有田焼など有名な焼き物がうまれました。この時期に、有田焼などがうまれた理由を説明しなさい。(品川女子学院中等部 2018年入学試験)
解答例.
豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、日本に強制的に連れてこられた陶工が各地で焼き物を作るようになったため。
テキストでは、社会の地理の分野で主な伝統工芸品の1つとして有田焼が出てきます。当然確認テストではこのキーワードを確認するための問題が出されます。
しかし、入試では「有田焼」と単に答えさせる問題は出題されません。出題されたとしても差がつく問題にはなりません。入試では時代背景の理解なども含めて問われるのです。
算数でも同様です。例えばおうぎ形の面積。確認テストでは公式を覚えれば正解になります。一方、入試では単に半径と中心角からおうぎ形の面積を求めさせる問題は出題されません。入試で求められるのは、おうぎ形の性質や面積という概念をきちんと理解し、フル活用して考えて答えを出していくことです。
どの教科も単にキーワードや解き方を覚えるだけでは、入試では対応できないのです。
キーワードや解き方を覚えるだけの勉強にならないようにしましょう
キーワードを覚えることも大切ですが、それだけでは難関校には合格できません。
とくに、3年生、4年生では注意が必要です。
この時期は勉強のやり方を身につける大事な時期です。「有田焼」とキーワードを暗記し確認テストで正解することがゴールではありません。塾や先生によっては、テストの○×しか見ていない場合もあります。
ご家庭でお母様お父様が勉強を見る場合は、この辺りの事を気にしてみるようにしましょう。
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